クーガーのことを皆さんに知ってもらう為に、現在クーガーで働いているスタッフへインタビューを行っております。第二回はクーガーのプロダクトLudens(ルーデンス)の大切な機能、LanguageCortex(ランゲージコルテックス)の開発の為に自然言語処理エンジニアとして働いているチャン・チョウ(Qiang Zhang)さんです。
── 自己紹介をお願いします。
チャンと申します。中国出身で、大学を卒業して日本へやってきました。京都大学の修士課程ではAIを専攻していました。その際に東京で仕事を探すことを考え始め、後にクーガーで働く事になりました。最初の1年間はフルタイムで勤務し、現在は東京大学の博士課程に通いながら、自然言語処理エンジニア兼リサーチャーとして働いています。主に自然言語処理の対話システムの開発を行なっています。
── 大学の専攻は自然言語処理ですか?
そうですね。修士課程は広範囲に渡るので、自然言語処理はその一部と言えます。ただしクーガーで働き始めてから、私自身がもっと興味を持ち出したので、自然言語処理を勉強しています。
── クーガーで働き始めてどのくらいになりますか?
2019年4月からなので、2年になります。
── クーガーの求人はどうやって見つけましたか?
大学を卒業した際、私には3つの選択肢がありました。1つ目の選択肢は、長い間、アメリカに行きたいと思っていたこともあり、アメリカの大学の博士課程に出願しましたが、残念ながら返答はもらえませんでした。二つ目の選択肢はこのまま日本で働く事で、三つ目は中国に戻る事でした。既に日本に住んでいることもあり、この日本でもっと探求をしてみようと思ったので、二つ目の日本で働くという選択をしました。
インターネットで就職先を探していた時、Googleや Microsoftなどの大企業も考えました。しかし私はもっとチャレンジのできる経験がしたいと思ったんです。もし大企業に入社したら、大体が誰かに何をするかを教わり、割り当てられた仕事に従い、任務をこなしていく事になります。その仕事のやり方は私がやりたい事ではないので、やりがいのある仕事ができるベンチャーを考えていました。自分でゼロから作り上げる事は私にとってもっと挑戦的だからです。その事もあり、AIに関わる会社を検討していました。
クーガーはLinkedinで見つけ、応募しました。魅力に思ったところは、ルーデンスのプロジェクトです。修士課程でバーチャルヒューマンエージェントについて学んでいた事もあり、クーガーでの仕事が私にピッタリだと思いました。
── ではAI業界で仕事を探していたんですね?
そうですね。修士課程でのクラスメートは大体がゲーム業界などの会社へ就職しましたが、とても規律が厳しそうなので私は違うなと思いました。厳しい体制の中だけで働くことは創造力に欠けると思うからです。そういう事もあり、何か想像力に富んだものの制作に挑戦してみようと思いました。
最初、クーガーを知って気づいたことがあり、応募時に当時クーガーで開発していたプロダクトの改善方法について書きました。クーガーが私に興味を持った理由の一つがおそらくその事だと思います。
仕事に情熱的な彼らを見ていると自分の可能性も見えてきた
── クーガーで働き始めた頃はどう思いましたか?
みんなエネルギッシュで仕事に対しての熱意がとても伝わってきました。ここで働き始めた頃は、私は対話システムに関わっており、2年前にはまだ最初の段階のものでしたが1年も経たないうちにとても素晴らしいものが出来上がっていました。私にとっては信じられない事で、他のどのスタートアップもこの短い期間でここまで出来るとは思いません。皆んな自分の仕事にとても注力しているのを感じました。
当初、私はクーガーのAIエンジニアの五十嵐さんと仕事をしており、問題の解決などを行っていました。その後は少しずつ独立していき、他のエンジニアとも共同で開発を始めました。その中でも、皆の情熱が感じられ、一つの目的に向かっていく姿にとても感銘を受けた事が私の1つ目の感想です。
2つ目の感想としては、ここで働いている皆んなが家族のような存在に感じています。色々な話ができ、意見を出し合ったりもします。みんなとてもフレンドリーなんです。私自身、外国人として、異文化に溶け込むことはとても難しいと思っていた事もあり、また学生時代には日本社会はとても過酷だと聞いていました。でもクーガーではその様に感じたことは一切ありませんでした。2年前、クーガーのオフィスはもっと小さな規模で誰かが動けば分かるくらいのオフィスだったんですよ。
そして、3つ目の感想は、一番感じた事で、一緒に働いている同僚皆んながモンスター級の才能を持っているんです。皆んな、とても豊かな想像力で迅速に問題解決が出来ます。仕事に情熱的な彼らを見ていると自分の可能性も見えてきて、とても刺激を受けており、自分自身の向上にも繋がっています。
ハードウェアからソフトウェア、そしてAIへ
── AI業界に関心がある理由を教えてください。
私が少年だった90年代は、中国ではコンピュータもない時代でした。高校生時代の将来の夢は機械を扱うエンジニア系の仕事をする事でした。のちに皆がスマートフォンやインターネットを使うようになり全てがデジタル化されていったので、私の考えていたエンジニア職では、世界を救う仕事ではなくなることを知りました。なので物理的に働く仕事ではなく、デジタルな世界で働けるならもっと創造的だなと思いました。
日本の大学では、自然言語処理を得意とする教授から教わったことは「具体的な制御でなくていい」という事です。AIは人間の負担を減らすためのものであり、人を助ける事ができる限り、AIはとても役に立つものだからです。ライフアシスタントや対話アシスタントの制作が興味深いテーマだと思っており、特に私は対話アシスタントに関心があります。近年、SiriやGoogle Assistantなどがもっと日常的に使われ始めているので、私はそういった物が将来のAIになっていくのだと思います。今後5、6年ほどの長い時をかけて出来上がる物だと思っています。
そしてバーチャルな世界でなら現実世界では出来ない様なこともできると考えました。それで大学入学後は、コンピュータサイエンスを専攻しました。ただ当時はまだAIのコンセプトについては理解しておらず、まずハードウェアやソフトウェアなどの基本的な事を勉強していました。ハードウェアの分野はまだ現物に頼る形になるものなので、ソフトウェアの分野でプログラミングを学び、ソフトウェア制作や人の為に働くものの制作を勉強しました。そこでハードウェアなど何でもプログラミングだけで制御できることを学びました。ロボットの制御システムもその内の一つで、これらを学習しているうちにAIに関心を持ち始めました。
僕が、世界を変える
── チャンさんの人生で働く事へのモチベーションは何でしょうか?
壮大なモチベーションとして、「世界を変えること」です。テクノロジーは世代ごとに変わっていき、その時代ごとに、生まれるものがあります。どのようにして新しいものを作り出せるかを考える事が一番大切だと思っています。例えばApple社のスティーブ・ジョブズがタッチパネルのiPhoneを生み出さなければ、現時代でもボタンのついた携帯を使っていたかもしれません。そういう主要技術が、世界を変えられると思います。
将来、AIだけが世界を変えられることが出来ると私は思います。現在でもAIは生物学や化学、物理学などで発展しており、特定の分野においては、AIの方が人間よりも優れていると言えます。計算や分析などではAIの方が優れており、数字を読むとることにおいては、人間ができる範囲を超えてAIはもっと素早く読むとることができます。なので私は、このAIを活用さえすれば、世界を変えることができると思っており、私独自の目標です。
── チャンさんが開発に携わっているクーガーのランゲージコルテックスが人々にどう役にたつか教えてもらっていいでしょうか?
まず名称について説明したいと思います。コルテックスは人間の脳のことを指しています。脳への入力、出力をする部分です。ルーデンスにはVisualCortex(ビジュアルコルテックス)とランゲージコルテックスがあります。ランゲージコルテックスはユーザーからの入力の理解とルーデンスからの出力を行います。ヒューマンエージェントと話す場合は、声を出して話しますよね。以前はタッチパネルなどで操作していましたが、現在は声だけで操作することが出来ます。ただシステム上では、文字で処理しないといけないので、声の認識をランゲージコルテックスが行います。また言葉の意味合いを理解するのはAIになります。
── 週末はどう過ごしていますか?
趣味はゲームで遊ぶ事とゲームを開発する事です。ゲームの開発は最近は時間が無いので行ってないですが、Unityを使って小さなゲームを制作していました。今は色んなゲームで遊ぶ事が主で、いつもAAAのゲームやクオリティの高いグラフィックゲームを選び、RPGゲームやEスポーツなどの競い合うようなゲームが好みです。
── どんなゲーム機でゲームしますか?
PCのみでゲームをします。私にとっていわゆるゲーム用のコーンソール機などはゲームのクオリティが低いと感じてしまいます。グラフィックの品質にはこだわりがあるのでPCもとても良いものを使っています。ゲームばかりではなく、勿論勉強の為にも使っていますよ。
ゲーム機でも最新機種のになると品質には問題ないかも知れませんが、値段的にPCを選んでしまいますね。
── これからクーガーに入社を考えてる方にひと言
世界を変えたい方はぜひ歓迎します。クーガーはAI業界において必ず新しいトレンドをリードする会社だと思っています。社内の雰囲気も良く、同僚もみんな良い人たちで、ベネフィットも良いです。私の研究分野で自身の出版を行った時には私の研究に対してクーガーは全面的にサポートをしてくれました。
自身の能力を発揮したい方にはこの会社での機会が次の時代に活躍できる選択肢だと思います。