ブロックチェーン上でAIの学習履歴や動作を管理するプラットフォーム「GeneFlow」β版の提供を開始──AIの学習履歴の透明性を担保し、プロジェクト管理をサポート

クーガー株式会社(本社: 東京都渋谷区、代表取締役CEO: 石井敦、以下「クーガー」)は、ブロックチェーン上でAIモデルを管理し動作検証を行うことができるAIモデル管理プラットフォーム「GeneFlow(ジーンフロー)」β版を限定で提供開始します。

GeneFlowは、AIプロジェクトで必須とされる複雑なAIモデル管理のコストを削減し、AIモデルの学習履歴を証明することでAIモデルの信頼性を向上させます。管理プラットフォームにブロックチェーン技術を採用することで、社内だけでなく、外部企業など第三者に対するAIモデルの学習履歴と精度の透明性を高めます。

クーガーは、XAI(「Explainable AI」の略。意味は「説明可能なAI」)プロジェクトとして、2018年にGeneFlow α版をリリースしました。その後、スタンフォード大学での発表や、中部大学との実験などを通じて、プラットフォームの構築・整備を進めて参りました。

ディープラーニングをはじめ、AI技術の高度さと複雑さは増す一方であり、それをどのように説明可能としていくかは社会の大きな課題です。クーガーはこれまでの活動実績を活かし、AI管理に焦点を当て、テクノロジーの社会実装の加速に貢献していきます。

AI開発に必要とされるデータ管理とモデルの透明性

AIモデルの精度は、学習データの中身やアルゴリズム、それらのチューニングなどで大きく変動します。例え99%の性能を誇るとされるAIでも、特定の状況にだけ対応し、実社会における汎化能力が不足していれば実用化できません。そのため、AI開発現場においては学習と検証を繰り返して、改善を積み重ねています。この工程には膨大なデタ管理業務が発生します。

また、スマートフォンやカメラなどのデバイスをはじめとして、自動車やロボット、ドローンなどへのAI搭載が進んでいますが、AI技術が社会インフラになるほど、発生した問題に対する原因究明の重要性は増しています。AIに限らず、データの消失や改ざんなどで不正を隠蔽するといった問題は発生しますが、AIの特徴は、正常な動作の明確な定義が難しい点にあります。だからこそ信頼性を検証できるAIを生み出すためには、学習や検証の記録に透明性・客観性を持たせる必要があります。そのため、AIモデルがどのように学習・検証され、どのような精度であったかの記録に、ブロックチェーン技術を用いることで技術的仕組みとして透明性を担保するインフラ環境を提供しています。

このような管理面のコスト削減と、AIモデルの検証に信頼性を持たせるというニーズを背景に「GeneFlow」が開発されました。

GeneFlowの機能特徴

・AI開発業務の管理
分散環境であるブロックチェーンに対して、AIの学習データ、学習アルゴリズム、生成されたAIモデルおよびそのAIモデルによる実行履歴を記録して、管理することができます。

・任意のAIモデルの管理
GeneFlowで作成されていない既存のAIモデルに関しても、GeneFlowにアップロードすることで、AIモデルの実行結果をブロックチェーン上に記録して管理することができます。これによって、任意のAIモデルの精度や実行履歴の管理が可能となります。

想定する提供先
・AIを自社開発している企業
・外部企業との連携を通じてAI開発をしている企業
・研究機関や研究審査機関
・AI技術コミュニティ

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